MLB2026シーズンが幕を開けました。今年の日本人選手の充実ぶりは、かつてない規模になっています。
大谷翔平選手の本格的な二刀流復活。山本由伸選手はサイ・ヤング賞に手が届くのか。佐々木朗希選手は年間を通じてローテーションを守れるか。鈴木誠也選手のさらなる飛躍や、昨シーズンは少し悔しい思いをした吉田正尚選手、今永昇太選手、千賀滉大選手の復活劇も見逃せません。
さらに今年は、予測WAR(選手の貢献度指標)でルーキートップの評価を受ける岡本和真選手をはじめ、村上宗隆選手、今井達也選手という新たな顔ぶれもMLBに参戦しました。
ここまで書いてみて、改めて痛感することがあります。「見たい選手が多すぎて、全試合を見るのは絶対に不可能」だということです。
現実的には、テレビやYouTubeのハイライトで結果を追う日々。しかし、これだと「ホームランを打った場面」や「三振を取った場面」しか見られません。結果だけでは味気ないし、ハイライトに映らない打席でどんなスイングをしていたのか、他の選手と比べて本当に通用しているのか、全体像が全く見えてこないのです。
ハイライトの限界を「データ」で突破する
そんな時、MLB中継の画面に差し込まれるマニアックな数字の数々に目が留まりました。一球ごとの球速やスピン量、スイングのスピードや角度。MLBの公式サイト(Baseball Savant)を覗いてみると、想像以上に詳細なデータが、誰でも見られる状態で公開されていることがわかりました。
私自身、野球のプレー経験はない素人ですが、「このデータを使えば、見られない試合の隙間を埋められるのではないか?」と考えました。データを見ることで、大きく2つのメリットがあります。
1. プレーの「過程」を具体的に想像できる
全試合をフルで見るのは時間がかかりすぎます。しかし、データを見れば「今日はどんな威力のボールを、どんなコントロールで投げていたのか」「どんなボールを見極め、どんなスイングをしたのか」を、一気に、かつ客観的に把握することができます。
2. 結果に「一喜一憂」せずに済む
どんな一流選手でも成績の浮き沈みはあります。結果だけを追っていると、「深刻なスランプなのでは?」と過度な反応をしてしまいがちです。しかし詳細なデータを追っていれば、「結果は出ていないが、打球の質は良いから問題ない(不運なだけ)」といった、裏付けのある見方ができるようになります。
私たちが注目したい「指標」リスト
これらのメリットを得るために、今後このブログで定点観測していく指標を整理してみました。
バッター編
結果(打率やホームラン数など)はもちろんですが、打席内での「プロセス」に注目します。
見極めができているか:ストライクゾーンスイング率 / ボールゾーン非スイング率
どれだけスイングが鋭くても、ワンバウンドを振っていては良い結果は出ません。選球眼を数値化します。
良いスイングができているか:bat_speed(スイングスピード) / swing_length(スイングの軌道) / attack_angle(スイング角度)など
良い打球が飛んでいるか:hyper_speed / launch_angle(打球角度) / バレル率
打つべき球を最高のスピードで振っても、かすってしまっては意味がありません。ボールを完璧に捉えた「バレル率」などで質の高さを測ります。
ピッチャー編
防御率や奪三振数といった結果に加え、「球の質」そのものを評価します。
どんなボールを投げているか:球種ごとの release_speed(球速) / release_spin_rate(回転数) / 変化量
球の総合的なエグさ(Stuff+):
近年MLBで注目される、投手の「球の質」を数値化する指標です。球速、回転数、変化量などの物理的な特徴から計算され、100をMLB平均とします。100を超えていれば「すごい球」ということです。
どこに投げているか(Location+):
160kmの綺麗な球も、ストライクゾーンに入らなければ意味がありません。コマンド(制球力)を測ります。
投げた結果どうなったか:球種ごとの空振り率や、打たれた打球の強さなど。
今週のレポート:2026年3月29日〜4月4日
開幕週の日本人選手11名(野手5名・投手6名)のStatcastデータをまとめました。各選手の打撃・投球データを球種別・指標別に可視化しています。
今後の連載について
現時点では、これらのデータを週1回のペースで集計し、日本人選手の「今週の通信簿」として、少しの分析コメントと共に投稿していく予定です(当面はバッティングとピッチングに絞ります)。
独自の指標モデル(自作のStuff+など)も構築中ですので、随時アップデートしていきます。
ハイライト映像だけでは満たされない、「もっと深く知りたい」という野球ファンの皆さま。ぜひお気に入り登録をして、一緒に数字の奥にあるドラマを楽しみましょう。

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