- 4週間のハイライト
- 打者編 — 5選手の月間パフォーマンス
- 投手編 — 8選手の月間パフォーマンス
- 大谷翔平〈投手〉(ドジャース)— 26.0回ERA 1.04、シーズン通算ERA 0.82の異次元投球
- 今永昇太(カブス)— 32.1回ERA 2.23、シーズン4勝のワークホース
- 山本由伸(ドジャース)— 24.1回ERA 5.14、第2週の好投から失速
- 佐々木朗希(ドジャース)— 20.2回ERA 5.66、BB/9 11.20→2.60の劇的な制球改善
- 菅野智之(ロッキーズ)— 21.1回ERA 4.22、効率重視で帳尻合わせ
- 菊池雄星(エンゼルス)— 7.0回のみ・ERA 6.43、限定登板で苦戦継続
- 千賀滉大(メッツ)— 2.2回のみ、故障の影響で4週間ほぼ登板なし
- 今井達也(フィリーズ)— 4.0回のみ・ERA 13.50、本格デビュー前の調整段階
- 4週間のキーナンバー
- 5月後半の注目ポイント
4週間のハイライト
4/19〜5/15の4週間は、シーズン序盤の流れが大きく入れ替わった月となった。第2週まで苦しんでいた岡本和真(ブルージェイズ)がOPS .969・8本塁打と完全覚醒し、鈴木誠也(カブス)も7本塁打・OPS .934で長打力が爆発。一方、第2週にOPS 1.308と無双していた村上宗隆(メッツ)はOPS .896と「平常運転」に戻りつつも8本塁打を上積みし、シーズン15発でNL本塁打王争いに加わった。投手陣では大谷翔平(ドジャース)が4週間ERA 1.04・26回・K/9 11.10と支配的な投球を継続、シーズンERAは0.82まで磨き上げた。今永昇太(カブス)も32.1回をERA 2.23で投げ切り、ローテーションのワークホースぶりを見せつけている。佐々木朗希(ドジャース)はBB/9 11.20→2.60と劇的に制球を改善し、復調の兆し。一方、千賀滉大(メッツ)は故障の影響で2.2回しか投げられず、菊池雄星(エンゼルス)と並んで苦しい4週間となった。
打者編 — 5選手の月間パフォーマンス
岡本和真(ブルージェイズ)— 4週でHR8本・OPS .969、適応完了の覚醒
第2週にOPS .296と苦しんでいた選手と同一人物とは思えない、まさに別人の4週間。97打席で22安打・8本塁打・22打点・OPS .969と打者として全カテゴリーで圧倒。BBが14個(BB率14.4%)と選球眼も改善し、出塁率も.371まで伸ばした。三振23と空振りを大きく減らしているのは、メジャーの変化球パターンへの慣れが進んだ証拠だろう。今季通算でもOPSは.553から.786まで急回復し、HR10本・打点27と長打力を示す数字が積み上がった。この流れを5月後半も続けられるなら、シーズン30本塁打ペースも見えてくる。
鈴木誠也(カブス)— OPS .934、HR7本で長打力が爆発
第2週はHR0本・OPS .718と「塁には出るが長打が出ない」状態だったが、4週間で7本塁打・SLG .564と一気に振り戻した。92打席で打率.269・出塁率.370はキャリア標準の数字だが、長打率がフルに乗ってきたことでOPSは.934まで到達。打点14もチームの中軸らしい貢献度を示している。今季通算でもOPS .871・HR7本と本来のパワー型ヒッターの姿に戻ってきており、カブス打線の核として機能している。三振24に対し四球12と、選球眼の良さは引き続きキープできているのも好材料。
村上宗隆(メッツ)— OPS .896と高水準、HR8でシーズン15発に到達
第2週のOPS 1.308という異常値からは落ち着いたものの、4週間でも95打席・打率.244・OPS .896と高水準を維持。HR8本・打点15は打線の中軸として申し分ない数字で、シーズン通算HR15本・OPS .903はリーグ屈指のスラッガーの座をキープ。BB13に対しK34と三振がやや多めなのは課題だが、出塁率.347・wOBA .380は依然として優秀。メジャー初年度ながらNL本塁打王争いに加わる存在感を見せている。
大谷翔平〈打者〉(ドジャース)— OPS .703と打者は不振、投手としてのインパクトでカバー
4週間で93打席・打率.218・HR2本・OPS .703と、本人の基準では「打てない」期間となった。三振24対四球14と選球眼は機能しているが、長打率.359と一発が出ない展開が続いた。シーズン通算でもOPSは.917→.796へ後退し、HR5→7とペースが鈍化。一方で投手としては圧巻の内容(後述)で、二刀流全体のWAR貢献度では依然リーグトップクラス。打者大谷の復活は5月後半の注目ポイントの一つで、本人の基準値(OPS .900+)に戻れるかが見ものだ。
吉田正尚(レッドソックス)— 出場48打席にとどまる、OPS .585と苦戦
4週間で48打席と出場機会が限られ、HR0本・打点0・OPS .585と物足りない数字に終わった。第2週まではOPS .900超だったが、ここに来てチームでのポジション争いが厳しくなっている。三振2に対し四球3と相変わらずバットコントロールは光るが、長打率.273と「打球は飛ばないが出塁はする」典型のヒッター像が強まっている。シーズン通算でもOPS .712に後退。指名打者起用の機会を増やすか、外野での出場時間を確保できるかが、今後の数字を左右する。
投手編 — 8選手の月間パフォーマンス
大谷翔平〈投手〉(ドジャース)— 26.0回ERA 1.04、シーズン通算ERA 0.82の異次元投球
4週間で26.0回・ERA 1.04・K/9 11.10・WHIP 0.88という、もはや人類の枠を超えた数字。BB/9 1.70と制球も完璧で、FIP 2.50は「実力で抑え込んでいる」ことを裏付ける。シーズン通算では44.0回・3勝2敗・ERA 0.82・WHIP 0.82と、規定投球回到達者ではメジャー全体トップ独走の防御率。打者として不振でも、投手としてはチームの絶対的エース。二刀流の負担を考えれば信じがたい数字で、このまま行けばCy Young候補争いに食い込んでくるのは確実だろう。
今永昇太(カブス)— 32.1回ERA 2.23、シーズン4勝のワークホース
4週間で32.1回(日本人投手最多)・ERA 2.23・WHIP 0.99と、安定感抜群の投球を継続。K/9 7.80・BB/9 2.20と派手さはないが、効率良くアウトを取る成熟したスタイル。シーズン通算54.1回・4勝3敗・ERA 2.32・K/9 9.80と、カブスのローテーションを引っ張る存在として機能している。鈴木誠也の打撃復調と合わせて、カブスの日本人コンビは現在のNL中地区争いの大きな武器になっている。FIP 3.37と実数値とのギャップも小さく、今後も安定した投球が見込める。
山本由伸(ドジャース)— 24.1回ERA 5.14、第2週の好投から失速
第2週はERA 1.17と完璧な投球を見せたが、4週間トータルではERA 5.14・WHIP 1.19と打ち込まれる試合が増えた。K/9 10.00と奪三振能力は健在で、BB/9 2.60と制球も悪くないだけに、被本塁打や運の偏りも要因か。シーズン通算では50.0回・3勝3敗・ERA 3.60・K/9 8.60と数字を持ち直しており、シーズン全体では十分にローテーションの中軸を担えるレベル。ドジャースの先発三本柱(大谷・山本・佐々木)の中で、4週間のERAは最も悪い数字となったが、内容面では復調の余地が大きい。
佐々木朗希(ドジャース)— 20.2回ERA 5.66、BB/9 11.20→2.60の劇的な制球改善
第2週はBB/9 11.20と制球が崩壊していたが、4週間平均ではBB/9 2.60まで一気に改善。WHIPも2.50→1.50と健全な数字に戻った。20.2回・ERA 5.66はまだ満足できる数字ではないが、K/9 7.00を維持しつつ四球を激減させたのは大きな前進。シーズン通算33.2回・1勝3敗・ERA 5.88と数字こそ厳しいが、内容面では確実に立て直しが進んでいる。FIP 6.83はやや高めで、実数値より内容は厳しいとも言える。本来の球威で押すスタイルを取り戻せれば、シーズン後半は大化けの可能性も。
菅野智之(ロッキーズ)— 21.1回ERA 4.22、効率重視で帳尻合わせ
4週間で21.1回・ERA 4.22・WHIP 1.22と、クアーズ・フィールドという打者有利な本拠地を考えれば及第点の内容。K/9 3.80は日本人投手で最も低いが、その分BB/9 3.00と四球も少なめで、打たせて取る効率重視のスタイル。シーズン通算42.0回・3勝3敗・ERA 4.07と勝ち星も確保しており、ベテランらしい投球術が光る。Statcastの細かい指標を見ると被打球の質は決して悪くなく、打たれる場面でも内容のあるアウトを積み上げている印象。ロッキーズの先発の中では数少ない安定材料となっている。
菊池雄星(エンゼルス)— 7.0回のみ・ERA 6.43、限定登板で苦戦継続
4週間で7.0回しか投げられず、ERA 6.43・WHIP 1.43と苦しい内容が続いた。K/9 7.70と三振は取れているが、BB/9 3.90と制球が安定せず、起用が限定的になっている可能性が高い。シーズン通算31.0回・0勝3敗・ERA 5.81と未勝利のまま。先発復帰の見通しが立つかが今後の鍵で、ロングリリーフ寄りの起用で継続するなら、まずは三振率を活かしたピンチ脱出役としての価値を示したいところ。チーム事情とローテーション編成次第で、5月後半の役割が大きく変わってきそうだ。
千賀滉大(メッツ)— 2.2回のみ、故障の影響で4週間ほぼ登板なし
4週間でわずか2.2回・50球と、登板機会が極端に限られた。ERA 10.12・WHIP 2.25と数字も荒れているが、サンプルサイズが小さすぎて評価しにくい状態。シーズン通算でも20.0回・0勝4敗・ERA 9.00と未勝利が続いており、故障明けの調整が長引いている可能性が高い。FIP 6.20は実数値(9.00)よりは大幅に良く、本来の球威自体は失っていないことを示唆。5月後半に万全な状態で先発ローテーションに復帰できるかが、メッツのシーズン展望にも大きく影響する重要ポイント。
今井達也(フィリーズ)— 4.0回のみ・ERA 13.50、本格デビュー前の調整段階
4週間で4.0回・ERA 13.50・WHIP 2.00と限定的な登板にとどまった。K/9 6.80・BB/9 6.80と三振と四球が同じ数字で、まだメジャーのアジャストに苦しんでいる印象。シーズン通算12.2回・1勝1敗・ERA 9.24と数字こそ厳しいが、K/9 11.40と奪三振能力の高さは光る。先発として早期降板が続いており、IP数の少なさは「短いイニングで降ろされている」結果。本来の力を発揮するには、まず登板機会で結果を残してローテーション定着を勝ち取るところから。シーズン後半の伸びしろに期待。
4週間のキーナンバー
| 数字 | 選手 | 意味 |
|---|---|---|
| 0.82 | 大谷翔平(投) | シーズン通算ERA — 規定到達者でメジャー全体トップ独走 |
| .969 | 岡本和真 | 4週間OPS — 第2週.296からの劇的覚醒 |
| 15 | 村上宗隆 | シーズン本塁打 — NL本塁打王争いに加わる存在感 |
| 2.60 | 佐々木朗希 | 4週間BB/9 — 第2週11.20からの劇的な制球改善 |
| 32.1 | 今永昇太 | 4週間投球回 — 日本人投手最多のワークホース |
5月後半の注目ポイント
5月後半の最大の焦点は、打者大谷翔平の復活劇があるかどうか。OPS .703は本人比で大きな不振だけに、巻き返しは時間の問題と見たい。村上宗隆と岡本和真の本塁打ペースがどこまで伸びるか、そしてHR量産を続けられるかも見もの。投手陣では佐々木朗希の制球改善が継続するか、千賀滉大が万全な状態で復帰できるかが大きなテーマ。今井達也もローテーション定着のチャンスが巡ってくれば、本来の力で結果を残せる可能性が十分にある。次回(5月下旬)のダッシュボードで、これらのストーリーがどう動くか追いたい。

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